- 2005-08-29 (月) 0:00
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Hotwired誌の記事で、カナダ人の経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイス氏の鋭い指摘に触れる。消費行動を通じた消費者の選択は、大企業の経営にとって必ずしも究極の影響力を及ぼすとは限らない、というものだ。その指摘自体は目新しいものではないけれど、大企業の経営が計画経済の要素を持っているという指摘は刺激的だ。共産圏における計画経済ほど硬直的とは思わないけれど、それでも、生産が消費に先立つ以上、その形容は間違っていないだろう。
たとえば、大手石油会社の探鉱/開発投資の基準原油価格は「1バレル20ドル半ばからやや上」という話を聞いたことがある。とすると、原油価格は一時は70ドルに達して今でも60ドル台後半を保っているけれど、石油会社は中長期的に原油価格が20ドル台に下がってもまだ採算の合う案件にしか投資しないことになる。原油高で各社が大増産して最終的に価格はもとの水準に戻る、というセオリーほど単純じゃないみたいだ。少なくとも短期的には。
記事はまた、音楽への接触についてすら大企業の販売促進計画と無関係でないことを嘆く、元トーキング・へッズのデイヴィッド・バーン氏の発言を紹介する。僕はいまKIIS FMがヘヴィー・ローテーションで流しているミッシー・エリオットやブラック・アイド・ピーズのCDを買って、面白がって聴いている。けれど、ここまであからさまな頻度で流れる曲だと、とても「自分で出会った曲」なんて思えない。
このKIIS FMを運営するクリア・チャンネル・コミュニケーションズ社もまた、現在、連邦通信委員会が捜査中の「pay-to-play」の慣習と無縁ではない。当局の報告で、同社が運営するサン・ディエゴのラジオ局のディレクターはソニーBMG社から楽曲放送の見返りに平面テレビを、シラキュースの編成担当者はボストンへの無料旅行を受け取っていたことが判明している。
企業は消費者の動向を生産活動に反映させるけれども、その反映は自発的なものであって、必ずしも必然的には起こらない。さらに、消費動向を生産計画に反映させるよりも、消費動向に影響を及ぼすほうが容易だとしたら、その「合理的な」判断を曲げる理由はどこにあるのだろうか?(反語的表現じゃなくて文字通りの疑問)
ガルブレイス氏は、1966年に英BBC放送の講演番組『リース・レクチャー』で以下のように語っている。「近代の産業社会、あるいはその中でも大企業によって構成されている部分は、本質的に計画経済だ。これはつまり、生産に関する決定は、市場に現れる消費者からの需要に反応してではなく、生産者の意向によって下されるという意味だ。こうした決定は、製品の市場価格に反映され、その価格で販売されるものを人々に確実に買わせるためのさらなる対策が取られる。この際に、究極の影響力を行使するのが権力だ」
(略)
バーン氏はこう書いている。「10代の頃からずっとラジオで聞き、感動してきたポップソングはどれも、裏金と引き替えに流されていたものだったのだろうか、と私は考えた。ああ、なんてことだ! ということは、当時の数少ない独立系のラジオ局以外では、私も『パブロフの犬』扱いされていたというわけだ――私は自分の耳でいい曲を見つけ、夢中になったと思っていたのだが、実はそれも、何も知らない私の脳にある種の音をたたき込むために調整されたプログラムがあってのことだった。私はすっかり操られていたのだ! 私が自分の意志で曲を好きになり、こんなものを好きになるのは自分だけだと思っていたが、そんな感情も、私の想像を超えた薄汚い連中によってこの頭に植え付けられていたとは」
FCC Launches Bribery Probe Over Payouts for Radio Airplay
Some Clear Channel stations were singled out in Mr. Spitzer’s report, including a San Diego station whose program director got a flat-screen television from Sony BMG, and a Syracuse station whose programmers were sent on a free trip to Boston.
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