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ジョシュ・アグレ展、夜のロサンゼルス

 2001年以来の知己であるブラジル人の陶芸家に誘われて、シャグ氏なる芸術家の展覧会に行く。彼女に誘われるまま、僕はシャグ氏が陶芸家なのか画家なるかも分からないまま言われた場所に向かった。

 そこで、驚いたことがふたつある。

 ひとつは、会場。シルヴァー・レイクにほど近いLa Luz de Jesus Galleryというその場所は、たぶんロサンゼルスで最もファンキーな雑貨屋兼画廊だった。そのとんがった雰囲気はサン・フランシスコのミッション地区の画廊やヘイト通りの服屋、東京の裏原宿の雑貨屋を思い出させた。僕はちょうどロサンゼルスはけっきょく「巨大な田舎」だってことに半ば諦めを感じていたので、このお店は素敵な発見だった。

 もうひとつは、この画家シャグことジョシュ・アグレ氏の作品に、僕は見覚えがあったのだ。2000年にこの街にいたとき、例のロスコー(ロスコーのチキンでケッコーと叫ぶ)のあとで寄ったバーで彼の描いた広告絵葉書を僕は何枚も集めたのだ。それは確かミネラル・ウォーターか何かの宣伝だったのだけれど、彼の「レトロなフューチャリズム」はすごく洒落ていた。

 5年前バーのトイレの前で手にした絵葉書の作者に、まさかいま、実際に会うとは思わなかった。アグレ氏は彼の画風のごとくすらっとした長身で、ストライプの紺のスーツとプラスティックのフレームの眼鏡(伊達眼鏡?)を、オースティン・パワーズみたいに着こなしていた。白いポケット・チーフも挿していたような気もする。そんな人だった。

 画廊ではビールが振舞われて、僕はこの思わぬ再会をじっくりと堪能した。夜中になってもう画廊が終わりだというので電灯が消された。ほの暗い部屋で観るシャグ氏の作品は、むしろ雰囲気を増した。「夜のロサンゼルス(L.A. By Night)」というのがこの展覧会のテーマなんだから。

 後ろ髪を引かれる思いで会場を出けれど、通りもまた当然、「夜のロサンゼルス」なんだから嬉しい。僕らは何人かの友達と合流して、リトル・テンポというクラブに繰り出した。

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