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リビング補完計画

 ちょっとしたネタみたいな話なんだけど、ヤフオクで買ったソファが家に入らなくて、2週間も車庫に置いとくことになった。みんな大笑いで、僕もつられて苦笑いをするわけだけど、これにはかなりヘコむ。消費者金融のCMじゃないんだから、というのが知人の談。まさに。

 グレーゾーンの寸法はトンデモな事態を巻き起こす。まず、到着当日。玄関から入れて階段を上がる、という正攻法を試みても、階段のカーブを曲がり切らない。緒戦、惨敗。

 そこで、一週間後の週末、助っ人を頼む。いぜん書斎の机を一緒に窓から吊り上げてくれた運送屋さんで、彼とまた吊り上げて窓から入れよう、って算段だ。ところが。息を切らしながら2階の窓まで引っ張り上げたのに、窓枠が数センチ微妙に邪魔して入らないんだよね。半泣きで降ろすソファは、上げるときよりも、重い。第二次作戦、惜敗。

 運送屋さん曰く、別の窓からなら入りそう、ってことで窓枠を外そうとするんだけど、なかなか強固で外せない。世の中に空き巣がなかったら、窓枠はもっと簡単に外せる仕様なはずなのに。週明けに大工さんに電話して、その大工さんがサッシ屋さんに電話して、ようやく外し方が分かる。ほんと、人騒がせでごめんなさい。

 そしてさらに一週間後、つまり、きょう、最後の作戦に出る。サッシを外して、屈強な友だちに来てもらって、部屋を毛布やらキャンプ用のシートやらで養生して敵を待つ。天気は雨。指揮官の運送屋さん曰く、2階の窓の外のコンクリートの張り出したところに立って、そこへ一旦引き上げるとのこと。

 っていうか、外は雨だしコンクリートは濡れてるし、しかも足場がめちゃ狭くて下が見えるし。よそうよ、よそうよ。やめようよ、やめようよ。立つだけでもマジやばいし、落ちたら骨折くらいはマジ余裕だし、そんなんで有給休暇とか使いたくないし。その休暇だってソファでのんびりできるワケじゃないし。だって、リビングにソファないし。

 そうか、ソファがないのか、そりゃマズい。逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ、ということで自らを奮い立たせる。雨に打たれながら、家のヘリに立って、運送屋さんとユニゾンで引き上げる。3個口の2個目くらいになると、呼吸が分かるっていうか、シンクロ率高め。サルベージ、完了。奇跡は起こしてこそ価値があるよなぁ。

 で、ソファをなんとか置き終えたら、友だちが「エヴァンゲリオンを観よう」と言い出して、オンデマンドTVで『Air/まごころを、君に』を観る。10年ぶりくらいに観て、あらためて前衛劇っぷりに圧倒される。これが全国の劇場でかかってたなんて、そりゃ社会現象だよなぁ。それから、眞鍋かをりが出てるってことで『稲川淳二の真実のホラーシリーズ #1』を観て、もっとスカッとするヤツってことで『ステルス』を観る。

 そうかそうか。これは頑張り甲斐があったなぁ。ビールがうまいぜ。

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関連記事:

  • http://d.hatena.ne.jp/Kajken/ Kajken

    実に面白いエピソードだ。
    居心地の良さそうなリビング、今度遊びに行かせてよ。

  • 炎帝陛下

    出す時大変だね。
    月日が流れ、
    出す時はなぜか難なく出せちゃったという
    奇妙な奇跡に寄待。

  • http://d.hatena.ne.jp/syntax/ syntax

    >Kajiken
    是非。大歓迎です。

    >炎帝陛下
    運び出す苦労を考えて運び込まない人間は小心者であり、運び出す苦労を考えずに運び込む人間は向こう見ずである。そして、運び込む苦労を考えずにヤフオクで買う人間はただの馬鹿である。(民明書房刊『物理学的見地より考察したEコマース』より)

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