- 2006-11-27 (月) 0:00
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深夜とも早朝ともつかないサン・フランシスコのホテルで、Pandora.comを聞きながら数時間後に控えた試験の勉強に勤しんでいるんだけど、素晴らしく「セカイ系」な歌詞に出会ったのでメモっておこう。
Alexander PerlsDestroy She Said
like towers falling down / like a bomb blast in your town / like a hostage tied in chains / I could not forget your name
(略)
like a helicopter crash / like a ghetto that’s been smashed / like bodies on a battlefield / I ca live with how you feel
ウェブサイトの解説によると、アレクサンダー・パールズは2000年秋、恋人と別れた翌日にニュー・ヨークでこの歌詞を書いたらしい。「崩れ落ちるタワーのように」は偶然だ、なんて、ちょっと言い訳めいたことも書いてある。まぁ、のロや戦争を連想させるその他の部分は偶然じゃない、って言ってるようなもんだけど。いや、別に彼を責めようってワケじゃない。
日本のポップ・カルチャーがおもに仮想の舞台のみで訴えてきた、どうしようもなく個人的な感情を、9.11という現在進行形の歴史のなかで語っちゃうからドキリとするんだよね。『エヴァンゲリオン』も『ほしのこえ』も操縦席からの風景は比喩であって主人公の心理の遠景として機能するのみだけど、この『デストロイ・シー・セッド』では違う。窓は瓦礫のマンハッタンを、テレビは凄惨なアフガニスタンやイラクを映して、それらと胸の内との対比を追体験させようとする。
まぁそれだけなら、ただ大袈裟な話ってだけなんだけど、『デストロイ~』の秀逸なところはその次の展開にある。
destroy, she said / my love again / the end will come quickly / do try again / to make amends / yol just end up sinking / if you explode in aftermath / do think yoe been dreaming / destroy, she said / my love again / when it’s not worth keeping
(略)
not along and not apart / you finished what you could not start / in the corners of the day / you catch my eye and then looked away / what a generous remark you made / when you blew it all away
「思っててもしょうがないなら気持ちを捨てろって? 始められなかったものを終わらせちゃってさ。 何もかも吹っ飛ばしちゃうなんて気前のいい話だね。」っていうのは、いかにもフラれた男が言いそうな恨み辛みだ。でも、最後の台詞でいよいよ思うわけだ。あれ、彼をフッたのは果たしてガールフレンドだけか?ってね。
そう思ってもう一度聴いてみると、この歌は、テロリスト(あるいはテロとその後の世界)に手ひどくフラれた僕らのハートブレイクをこそ、むしろ歌っているんだって思いあたる。ありえたはずのハッピーな関係を、そんな風に台無しにしちゃうことないだろ、って。この心境はまさしく失恋だ。義憤っていうよりも。
失恋っていう近景を見せているようでいて、実は遠景のセカイで起こっている大きな「失恋」を聴かせてしまう。なんてニクい演出だって思うんだけど、どうだろう?
過剰な自意識を持った主人公が(それ故)自意識の範疇だけが世界(セカイ)であると認識・行動する(主にアニメやコミックの)一連の作品群のカテゴリ総称。
(略)
[きみとぼく←→社会←→世界]という3段階のうち、「社会」をすっ飛ばして「きみとぼく」と「世界」のあり方が直結してしまうような作品を指すという定義もあるようだ。特に『最終兵器彼女』などは、“きみとぼく”が「世界」の上位に来ている、すなわち「きみとぼく」の行動で「世界」の行く末が決まってしまうという設定であるのも興味深い。
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