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フランス語と過ごす3週間

 フランス語を習った帰り、渋谷からのバスのなかでフランス語の入門書を読みながらブツブツ発音していたら(怪しい!)、停留所をふたつ通り越してしまった。超→ウケる、っていうか本読んで降りそびれるなんてメチャひさしぶりだし。そりゃ、目の前のサミットに飛び込んで記念のYebis The Hopを買って、上機嫌で飲みながら淡島通りを戻るさ。「ボン・ソワレ」と僕が言ったから九月三日はフラ語記念日。

 きょうは色の名前と、基礎的な形容詞と、「○○もまた○○である」っていう言い回しとを習った。8月15日から初めて週に2回・1時間ずつ習っていて、いちど札幌出張でキャンセルしたから、きょうは5時間目だったわけだ。先週は「あなたの鞄の中に何がありますか?」「僕の鞄の中には携帯電話があります」なんて話すのがすごく楽しかったんだけど、きょうは「僕の鞄の中には白い携帯電話があります。机の上のノートも白いです。」って具合に話せるのがとてつもなく楽しいんだよね。録音してサルコジ大統領に送りたいくらい楽しい。

 Life is cominback。こないだふと見た教育番組でウニの発生についてやってて、ついつい話題に反応しちゃったのか、スタジオの水槽の中でオスのウニが思わず放精しちゃって、先生も「貴重な瞬間ですねー」とか言ってて小学生のお友達たちも「わー」とか言ってて、それって思春期のウニとしてはいたたまれない状況だよね。いや、その部分じゃなくて。むしろ細胞分裂。例によって時間を短縮した映像でウニの受精卵の分裂が流れるんだけど、僕のフランス語世界はまさにあんな感じ。1、2、3から始まる倍々ゲーム。1、2、3、真ん中まで。このスピードからして、今日を超えれば、君まで響きそう。

 3週間前は彼女に電話して「ぼくの名前はしんたです」を連発して、2週間前は「僕は日本人です」「僕はフランス人ではありません」「あなたはイタリア人ですか?」を乱射して、先週は「テーブルの上に本があります」「本の上にペンがあります」「家の前に車があります」を滔々と語る。いつか日常会話くらいをマトモに話せるようになったとき、この3週間を思い出したら、きっとスタジオのウニくらい、あとで恥ずかしい気持ちになるのかも知れない。ま、そんなことはお構いなしに、いまのところ、倍々ゲームはつづく。(ただし、活用表の「半過去」とか「複合過去」とか「大過去」とか「前過去」という欄は明らかに前途に垂れ込める暗雲だ。あと、60以降の数字についても抗議したいけど、それはまた別の機会に。)

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