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てにどう「心優しき野郎ども」

  • Posted by: Syntax
  • June 29, 2008 11:15 PM
  • 観る

 中野の小さな劇場へ、芝居を観に行く。小劇場での観劇は昨年10月の東京イボンヌ「無伴奏」ぶり。下北沢のバーで演劇関係者に「彼らのシチュエーション・コメディはいい」と勧められるままに、数週間後にこうして劇場を探しながら中野の路地裏を歩くのもなんだか酔狂だ。けれど、酔狂とはいいつつ、自らも演じる目の肥えた人たちの勧めに従っただけだから、この芝居を楽しんで帰ったのは当然といえば当然の結果なんだけれど。

 離婚したばかりの傷心の男たちが共同生活を送る。これが「心優しき野郎ども」のシチュエーション。ちょっと冗長に感じるところもあるにはあったけど、場面場面がサーヴィス精神に富んでいて、心が舞台に吸いつけられてしまう。動きであったり、言葉であったり、あるいは歌であったり、遊び心が楽しい。そして、その瞬間瞬間の遊び心が離婚という通底する悲痛なテーマを却って浮き彫りにして、このコメディをあくまでも人間ドラマとして提示する。

 コメディといっても浮薄ではなくて、人間ドラマといっても辛気臭くない。観始めてすぐ気付くこのバランス感覚が、慣れない小劇場でともすると身構えてしまう僕を安心させてくれる。そして、この芝居はそのリラックスした雰囲気のままにフィナーレまで僕を心地よく連れて行ってくれる。舞台には「フィガロの結婚」のような華やかさも、「タンホイザー」のような深刻さもないけれど、手を伸ばせば届くような距離で、身近にすら思える俳優たちが等身大のテーマを演じている。この距離感、探すとなるとなかなか得難いかも。

 次回公演は来年というのが随分と先だけれど、ともかくアンケートに住所を残して次回公演の案内を楽しみにするとしよう。

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