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英文法の深淵を覗く - 「実戦ロイヤル英文法」

 派手なカジノ映画を観た2時間を除くと、僕は飛行時間の大半を極めて地味な英文法の本を読んで過ごした。僕はこのところ英語の勉強をしていて、話の内容にも負けず劣らずいい加減な僕の英語をなんとかしたいと思っている。そこで書店で見つけたのが「実践ロイヤル英文法」。"There is/are ..."みたいな「知ってるつもり」の構文でも、そのあとに最上級を除いて定冠詞"the"は来ちゃダメだとか、「忘れていた」というよりもそもそも「知らなかった」ことが出てくる。これは発見だ。

 ほかにも、使役動詞の"make"には「無理にでも強制的にさせる」、"let"には「相手がしたがっていることをさせてやる」、"have"には「当然してもらえることをしてもらうようにもっていく」、そして"get"には「説得などをしてなんとかさせる」という違いがあるとか。なんとなく感じていても、こういうのはちゃんと日本語で説明を受けないと一生分からなかったろうと思う。未来形の"will"と"be going to"の違いもしかり。

 さらに、文語あるいは口語としての適不適についても評価がされているのが役に立つ。僕は今回、特に書き言葉として最も正確な英語が知りたいからだ。例えば分離不定詞は「最近では文脈次第では容認されてきている」と書いてあるから、つまり、依然として避けるべきだってことが分かる。その点では、関係代名詞と前置詞の関係についての説明はちょっと不満だった。

次の文では、会話では(a)と(b)より(c)のほうが自然で、ふつうである。
Who founded the American Red Cross?
→ By whom was the American Red Cross founded? (a)
→ Whom was the American Red Cross founded by? (b)
→ Who was the American Red Cross founded by? (c)

 (a)から(c)に至る順序でそれは暗示されているのかも知れないけれど、書き言葉としては(a)が望ましいという言及があったら尚良かったのに、と思う。これは僕が最近注意されたことで、前置詞で文が終わることを望ましいとしない文法学者もいる、と聞いたからなのだけど。もちろんこれは、それを聞くまではまったくもって「どっちでもいいじゃん」と思っていたから、付け焼刃も甚だしい感想なのだ。

 そして笑えるのが150ページ近くも読んで、まだ僕は「文」・「動詞」・「時制」・「助動詞」・「態」そして「不定詞」しか学んでいないことだ。そのどれもが、想像以上に深い。先を見ると「代名詞」の章だけで40ページもあって、なんだか呆れながら畏まってしまう。ロンドン出張を機に英文法の深淵を覗く、というのはいい企画じゃないかと自賛。 To learn, or not to learn: that is the question. ―― 学ぶべきか学ばざるべきか、それが問題なんだ。

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