- 2009-06-06 (土) 0:28
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購読しているメールマガジン「『ソシアレ』~社会起業家的な新しい働き方のスタイル」で、ヒラリー・クリントン(Hillary Rodham Clinton)米国務長官がニュー・ヨーク大学の卒業式で話した祝辞の内容を知る。そこではSNSやマイクロファイナンスに言及されているというので、さっそく米国務省のサイトで原文を確認。SNSなどに加え、益な相互依存民外交官いったキーワードが散りばめられたうえに、「世界にいる30歳未満の若者のうちの60%が、こんにち我々が直面する最大の問題を解決するだろう」という。その根拠は明かされないけれど、それは「若者が解決してくれなければお手上げだ」という背理法かも知れない。ともあれ、彼女の祝辞はSNSなど現代の胎動を増幅して響かせる。僕もまた、鼓舞される思いがした。
若者を奮起させるこの祝辞も、しかし、クリントンは謝辞のあと早々に次のように釘を差す。
[拙訳] さて、卒業式の祝辞を理想主義的にやるのが流行りだと知っていますし、この祝辞もそんな風に聞こえるかも知れません。けれども、私の信念の根は強い現実感なのです。お分かりの通り、我々には選択肢があるとは思えません。傍観を決め込んでもいいでしょうし、気をもんでいてもいいでしょうが、それがどんな結果になるかは明らかです。良心と信念ある世界中の人々には受け入れがたいような思想を持つ人々に、場を明け渡すことになるでしょう。ですから我々は、有益な相互依存という事実によって、これらの課題[気候変動、飢餓、極度の貧困、過激な思想、新しい病気、そして核拡散]に対応すべく備えましょう。しかしこれらの課題はもはや、政府同士だけの課題だとは見なせません。新しい技術が利用可能になった今、我々には市民外交官や市民活動家となり、問題をひとつひとつ解決していく時間と機会があるのです。問題は勤勉と忍耐と粘り強さに屈し、その結果、我々が望む解決策へと集約していくでしょう。
そして、新しい技術がどのようにして人道問題を解決する手段となりえるか、クリントンは事例を挙げる。これらの事例によって僕たちは、彼女の言う「市民外交官」や「市民活動家」という概念が、単なる抽象論を超え、テクノロジーのはしごを伝ってどのように地表に降りてくるのかを確認することになる。
[拙訳] 事例をいくつか。コロンビアでは、2人の若い大学生が祖国の武力衝突に耐えられず、フェイスブックを使って1,400万人を組織して世界史上最大となる反テロリズムの反対運動を行った。(拍手) 彼らの平和的な努力は数週間で、数年間の武力行使にも匹敵する打撃をテロ組織に与えたのです。
[拙訳] みなさんは我々[国務省]が新しい政策を立案するのを待つ必要はありません。今日みなさんが家に帰ったら、インターネットでキヴァというウェブサイトを探してください。K-i-v-aです。そこでは、ヴェトナムに住む母親で、家庭農園用にコメの種と肥料を買うため小額融資を探しているサン・マのような人を助けることができます。また、へファー・インターナショナルのサイトにログオンし、一晩外食するよりも安いお金で、アジアやアフリカの餓えた家族にガチョウの群れを寄付することができます。あるいは、植林をして二酸化炭素排出を相殺し、アフリカの女性を力づけるための、ワンガリ・マータイによるグリーン・ベルト運動を支えることもできます。
リンクはKiva、へファー・インターナショナル、そして、グリーン・ベルト運動。これらの運動は市民と市民をつなぐ昨日を果たしており、市民レベルでのいわば水平の「有益な相互依存」を促している(僕がこれをなぜ「相互」だと思うかはまたの機会に)。のみならず、国務省などの国策とも補完関係にあって、その観点からはいわば垂直の「有益な相互依存」を実現しているように見える。国家的な国際協力にも得手不得手があり、NGOにもまた、得手不得手があるからだ。独立こそが国是、と高らかに謳っているようなアメリカの、その国務長官が「有益な相互依存」を説く。そこに現代の胎動を感じちゃうのは僕の勝手な期待ゆえかなぁ。
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