4月12日、ビジネス・スクール受験も一段落したことだし、家に植物を置こうと思い立って駒場の花屋カルティベイトまで歩く。ここでグミ、マンサク、そしてゴールドクレスト、そしてカナメを買い、空き家になっていた鉢に植え替えて玄関脇に置く。これだけで一気に、生活に潤いが増したような気がするから不思議だ。「気がするから」と書いたけれど、そういう気がしたら事実としてそうなのだろう。潤いってやつは。
カルティベイトでは、ゴールドクレストの苗木を3鉢、そしてマンサクを1鉢買う。ゴールドクレストは育てやすいと聞いていたし、マンサクには和の風格があった。駒場からこれらを抱えて家に帰り、早速ヴィニールのカップからプラスチックの鉢へ、あるいはプラスチックの鉢から陶器の鉢へと植え替えると、すぐに汗だくになってしまう。けれど、その汗も引かないうちにもう少し植物が欲しくなり、再度カルティベイとへ。
こんどはグミとカナメを買い足す。グミを買ったのはこれにも凛とした風采を感じたからなんだけれど、カナメは結論から言うと1株だけ買ったのは間違いだった。カナメは何株も買って生垣にしてようやく格好がつく植物のようで、1本だけひょろりとしているのは少し滑稽だ。けれど、その滑稽さはまさに僕の園芸活動自体の滑稽さであって、そう思うとこの寂しいカナメに親近感が湧く。
新参者ばかり構って古株がスネては困るので、Hくんから結婚祝いでもらったウンベラータの支柱も変えてやることに。このウンベラータはどんどんと伸びて葉を茂らせ、もともと付いていた支柱を追い抜いてしまった。そこで長い支柱を買ってきて、これにヴィニールのワイヤーで緩く固定してやる。
僕の発作的な園芸熱は妻にも感染して、彼女はマーガレットとアイヴィーの鉢を買って食堂に飾る。家の中に緑が増えていくのは眺めていて楽しい。新しい植物が来るとすぐに部屋に馴染み、彼らは、まるで真空に空気が流れ込んだあとのように、何事もなかったように自分の空間を占めるから不思議だ。アリストテレスが「自然は真空を嫌う」を言ったそうだけれど、我が家に来た植物たちは、植物的な真空を憎む義勇兵のように堂々として見える。彼らの心意気が無駄にならないよう、しっかりと育てよう。
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