- 2009-10-07 (水) 13:59
- MBA留学記

8月のある夜、留学生同士で行ったハーヴァード・スクウェアのイタリア料理屋でのこと。コスタ・リカから来たMが、「日本では裸の女性に刺身を盛るって本当?」と尋ねるものだから、その不意打ちに僕は窒息しそうになる。さて、意外に難しいのがその返答で、女体盛は存在しないとも存在するとも言いがたい。まるでサンタ・クロースのように、幸か不幸か僕は人肌に温まった刺身など食べたことはないものの、ファンタジーとしては確かに見聞きしているのだ。初音ミクのロボット化を昨晩知人に教わるに至り、僕たちが温めてきた妄想力こそが日本の活力になるのではないか、と半分本気で思う。
2005年にロサンゼルスに駐在したときに日本のアニメやマンガを扱う店を覗くと、そこには「ヘンタイ(Hentai)」というコーナーがあって成人向け作品が並んでいる。ちなみにその年はサン・ディエゴやアナハイムなどカリフォルニアの都市だけでなく、メリーランド州のボルティモアやインディアナ州のインディアナポリスなどで開かれた、日本マンガ/アニメのオタクの祭典をいくつか視察した。会場の熱気に触れるにつれ、日本のポップ・カルチャーが孕む――変態とは言わないまでも――フェティシズムが持つ貫通力を感じた。
日本のフェチに刺さってしまうのはもちろん一部の人たちなのだけれど、その刺さり方は恐ろしく深い。そして、歌うプログラムの擬人化とそのロボットの登場を見て、いよいよ日本の独創というか独走を確信する。スイスの時計産業のように、もう誰も敢えて参入しようと思わない孤高の極みで、日本は日本でせっせと日本流のファンタジーに磨きをかけるのも、あながち悪い話じゃないような気もしてくるのだ。現代美術における村上隆作品の商業的成功は心強い先行事例かも知れない。
ちょうど僕は、ここ最近「日本人は勤勉だから日本は大丈夫」という論に何度か出合って違和感を覚えていた。第一に、日本人以外にも勤勉な人たちはいるし、「追いつけ追い越せ」のハングリーさが彼らの勤勉さに油を注いでいる。第二に、そのハングリーさという点では、幸か不幸か日本人はかつてほどそれを持ち合わせておらず、日本人の勤勉さは燃料切れになるかも知れない。第三に、日本の経済成長は勤勉さよりもマクロな環境に拠るところが大きかったのではないか、というそもそも論も僕は捨てきれない。
そんな訳だから、Lilacさんのブログで「日本企業が「日本らしさ」を捨てていく時代」を読んで、僕は膝を打つ思いがした。よりフラットな競争環境で日本だろうが中国だろうが強いプレイヤーが勝つ、というストーリーのほうがずっと、日本企業が日本企業であるがゆえに勝つ、という神話よりも説得力を持つように感じたからだ。さらに、日本企業はもはや日本人従業員と完全にイコールではないし、外国企業と日本人従業員もまた排他的な関係ではない。
それで「日本人の強み」なんてことを考えて悶々としていたところに、救世主のごとく輝いて見えたのが初音ミクのロボット。こんなの創るの現時点で日本人だけだし、近い将来の参入も予測し難い。ファンタジー立国、というのはどうかなぁ。ある人は、利便性を訴える文明財ではなくて、感性に訴える文化財こそが日本の次の戦場だと話していた。まぁ、立国はさすがに大仰だとしても、この手のフェティシズムで世界的に成功する企業がいくつか出てきてもいいよなぁ。そしてロンドン証券取引所あたりにしれっと上場、とか。
参考1: 「究極のエロ本 vs 至高のエロ本」 (via Rさん) 単純に笑えるのだけれど、デジタル化と伝統、そして個々人がかける情熱の物語として示唆的。この3点はまさに、音声合成技術とからくり人形の伝統を含む初音ミクのロボット化にも通じるのではないかと。
参考2: 「女子高生っぽい香水を DS に振りかけ 「ラブプラス」 を楽しむ人々」(via Sちゃん) 恋愛シミュレーション・ゲーム――というジャンルの存在自体もすごいけど――で、臨場感を増すためにゲーム機に香水をかけるとか、完全に日本人の独壇場かと。
皆様、トホホな情報の提供、ありがとうございます(笑)
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Comments:1
- Sho 09-10-07 (水) 22:03
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大阪のほうにも、秋葉原みたいな場所があることを
知りました。
その名も、「日本橋」
まだ、いったことないけど。
ガンダムをあしらったキャラクターカードで、レアものが
でると、1枚3000円とかで販売できる「カード屋」が
あって、小学生もそこで売買しているって。
今度、見に行こうと思う。
12月の頭に、ガンダムのロボット同士が戦う3Dのバトル
ゲームの新しいバージョンが、PSPで出るんだって。
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