The SYNTAX ERROR Blog » コミュニケーション http://www.thesyntaxerror.net MIT Sloan / London Business School MBA留学記 Mon, 22 Nov 2010 02:24:03 +0000 http://wordpress.org/?v=2.8.6 ja hourly 1 入学 - 小さな日本の僕 http://www.thesyntaxerror.net/2009/08/22/225919 http://www.thesyntaxerror.net/2009/08/22/225919#comments Sun, 23 Aug 2009 03:59:19 +0000 Syntax http://www.thesyntaxerror.net/?p=1031

8月12日、留学生向けのオリエンテーションが始まり、この日を以って僕は正式にMITスローン校に入学する。とは言え、このクラスルーム・コミュニケーション・アンド・カルチャー・ワークショップ(略して)の初日は朝食と昼食の間に簡単な説明があるだけだった。同級生の中には前日に入国したという人もいるから、まぁ、肩慣らしというところだろう。

朝、家を出て既に最寄り駅として馴染みも出てきたチャールズ通り駅の階段を登ると、心地よいフルートの音色。このストリート・ミュージシャン――というか、”ステーション”・ミュージシャン?――の演奏は、僕のご都合主義な脳内で入学祝いと学業成就の吉兆という風に強く解釈され、ちょっとした小銭を渡しておまけに写真まで撮らせてもらう。

教室棟のロビーでは簡単な朝食としてコーヒーやジュース、クッキーやフルーツなんかが供されているのだけれど、新入生でごった返している上に学生同士の挨拶――名前やら出身国やら前職やら――で忙しくてコーヒーを飲むのがやっと。これだけでは名前すらもほとんど覚えられないのだけれど、ともかく、人種と経歴の坩堝ということだけは痛感する。

自分の名前が書かれた名札とバッジをもらう。円形劇場の形をした教室の机に名札を挿し込んで、バッジを胸につけると、学校訪問じゃなくて学生としてこの席に座っているんだ、っていう実感が噴き出してくる。僕は実はスローン校なんかには合格していなくて、ただ単にそう思い込んじゃった痛い子なんじゃないか、とごくたまにだけれど思うことがあった。すでに着陸はしていたものの、この名札とバッジをもらって、ようやく入国審査を通り抜けた気分だ。

隣に座ったのはKという韓国人で、前職は戦略コンサルタントだという。彼とお互いについて話をし、クラスの前でお互いのことを紹介しあう。ところで、C3を担当するハートマン教授が、MBA以前の学位におけるケース・ディスカッションの経験をクラスに尋ねたところ、多くの学生は未経験だったものの、韓国や中国出身の何人かは経験があると手を上げていたようだった。日本人で手を挙げていた人はいなかったようだけど、もし違っていたら同級生の方、教えてください。

全世界全学科の教授法が金太郎飴式に同じである必要はないけれど、少なくとも僕の学部時代ではケース・ディスカッションなんて別世界の話だった。聞いたことぐらいはあったけれど、見たこともなければ、もちろん、経験したこともない。経験を即ち武器と考えたら、米国のMBAというある種のスタンダードに対して、彼らは既に一歩先んじた武装をしている、なんて風にも大げさに考えたら言えなくもない。

言うまでもなく、ビジネス・スクールの教室は「世界がもし100人の村だったら」式の縮図ではない。地球にはこれほど高濃度にコンサルタントや投資銀行家がいるわけじゃないからね。けれど、この教室を国際的な経営人材のプールとして俯瞰して、その中で自分自身やそのバックグラウンドである日本がどれだけ競争力を持ち得るのか、を知るには十分な地図を提供してくれるだろう。

スローン校は決して過度に競争的な校風ではないし、足の引っ張り合いのような低次元の競争にも興味がない。けれど、この協業的な環境の中でどれだけ自分が貢献できるか、という切磋琢磨はしっかりと勝ち抜いて行きたい。小さな日本の僕がこの大洋でできることは何か、なんて殊勝にも思う。だから忘れないように書いておくんだけど。

ハートマン教授とケリー教授の説明の後は、入学の意思をサインして晴れて入学手続きを済ませ、ファカルティ・クラブという宴会場でランチ。ちなみに、ここで学校のロゴの入った水筒とマグ・カップをもらう。ゴミを出さないようにこれを使うべし、とのことで気が利いている。ランチではボストン名物のクラム・チャウダーなんかが出される。思えば渡米してからずっとブリトーかピザかコーンフレークという食生活だったから、テーブル・クロスの上でちゃんと食事をしたのは久し振りだなぁ。

テーブルを共にしたのは、クラスにお互いを紹介しあったKに加えて、タイ、セネガル、あと、たしか南米からの仲間。南米は国じゃないだろ、と自らにツッコミつつ、これがまたなかなか覚えられないんだよねぇ。

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