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観る Archive

草上のシェイクスピア

土曜日、スローン校LFMプログラムの1年生のBが電話をかけてきて、「今夜ボストン・コモンでシェイクスピアの演劇があるから来ないか?」という。ちなみにLFMプログラムというのはスローン校とMIT工学部の共同課程で、この2年制の課程を修了するとMBAと工学修士がもらえる二重学位課程だ。Bとはお互いが受験生だった頃コネチカットのイェール大学を訪問した時に出会い、その後でイリノイのノースウェスタン大学で偶然再会して仲良くなり、連絡を取り合うようになった。そして、二人ともMITに進むことになった、という縁で繋がっている。彼が日系アメリカ人ということも、僕らを近づけた要因かもしれない。ともあれ、僕はBや彼のクラスメイト達と公園で観劇することになった。
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学生向け美術品貸出プログラム

 MITスローン校の新入生向けメーリング・リストで、MITリスト・ビジュアル・アーツ・センター(List Visual Arts Center)の学生向け美術品貸出プログラム(Student Loan Art Program)のことを知る。ウェブサイトによれば、学生は400点に及ぶ絵画や写真を抽選によって1年間無償で借り、自室などに飾ることができるらしい。抽選といっても、5分の2の確率で希望する3作品のうちの1つが借りられるというから、決して望み薄ではない。このプログラムのウェブサイト、上のように奈良美智や村上隆の作品が写っているけれど、まさかそれらは借りられないよねぇ? ともあれ、これは素晴らしい試みだと思う。

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「マティスの時代」展

 京橋で昼食を取った後、八重洲まで歩いてブリヂストン美術館の「マティスの時代」展を観る。この企画展は全部で10ある同美術館の展示室のうち初めの2室をのみを用いたものなのだけれど、訪問者の体験としてはそれに留まるものではなかった。なぜなら、続く展示室にはマティスが影響を免れなかったであろうピサロやモネ、セザンヌやシニャックの作品が、さらに続々と並ぶからだ。誰の時代と呼ぼうとも、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのこの時代の豊潤さは群を抜いているように思える。

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スコットランド友好150周年記念コンサート

 4月6日、伯父より招待され、スコットランド国際開発庁主催の「スコットランド友好150周年記念コンサート」を初台のオペラシティで聴く。プログラムの第1部は「スコットランドと日本を題材とした純粋なクラシック音楽」で第2部は「スコットランドのゲストアーティストによる演奏」。曲目もさることながら、途中で民族衣装に身を包んだバグパイプ隊が桟敷で演奏したり、最後には客席のスコットランド人と日本人とが文字通り手に手を取って「蛍の光」を歌ったり、単なる音楽鑑賞というよりは祝祭として楽しい時間を過ごした。

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ジプシーの呪い – ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」


 2月28日、メトロポリタン歌劇場(Met)でヴェルディ(Giuseppe Verdi)「イル・トロヴァトーレ」(Il Trovatore)を観る。前日東京で観たジンガロ「バトゥータ」が描いた自由の民としてではなく、どこか空恐ろしい呪詛の民としてジプシーが描かれる。ジプシーの女アズチェーナが、先代の伯爵に母を殺された報復に、その伯爵の子である次代の伯爵をしてその実の兄弟(お互いにそうと知らない)を殺させる、という復讐劇だ。多少無理のある筋書きでも、しかし、壮麗なアリアの連続がぐいぐいと観客を牽引していく。「復讐は成った!」というアズチェーナの最後の叫びには無常感とカタルシスが同居していて、この”引き”の目線が本作の醍醐味なんじゃないかな。

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