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食べる Archive

ブラインド・テイスティング

 6月13日、大学時代の仲間を呼んで自宅で飲む。アカデミー・デュ・ヴァン(ADV)でソムリエを目指すRちゃんカップルからワインを習おう、ということでブラインド・テイスティングに挑戦。彼女は当日パリから戻ったばかりでチーズをたくさん持ってきてくれて、やはり当日バンコクから帰国したばかりのフィアンセのTくんはワインを4本持ってきてくれた。感謝! 5人で挑戦したフランスのワイン3種類のブラインド・テイスティング、Tくんと僕がそれぞれ1つだけ正解という残念な結果。でも、ゲームとしてはなかなか楽しいなぁ。またやろう。

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京橋ランチ難民

 5月9日、ブリヂストン美術館で「マティスの時代」展を観る前に、京橋で腹ごしらえ...のつもりが土曜日の昼のオフィス街はガランとしていて目当ての店も休業ばかり。それでも日本橋・京橋・八重洲界隈の古いビルにはそれぞれに趣きがあって、歩いていて飽きない。結局、明治屋の裏にある寿司屋にありつく。

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ワイン・セラーなどなくても

 2005年の11月に半年間のプロジェクトを終えてロサンゼルスを離れるとき、ある人が餞別に2001年物のオーパス・ワン(Opus One)をくれた。カリフォルニアのロバート・モンダヴィとフランスのフィリップ・ド・ロスシルトの共作ということで、カリフォルニアでは特別なワイン、というのが僕の理解だ。困ったのは僕の貧乏性で、ありがたがっているうちに開けるタイミングを逸してしまい、ありがたがっているクセに劣悪な条件で保管していたから、ワインの劣化も気がかりだった。そこで、4月7日、30歳の誕生日とSloan合格を機にようやく抜栓する。

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ほうとうの県外者 - 御食事処 歩成

 ほったらかし温泉のあとは名物ほうとうを食べようということで、同僚のR君が勧めてくれた一味屋という店をカーナビで探していくのだけれど、「目的地周辺」でも見当たらず電話をかけても出ず。午後7時半には閉まってしまうのか? そこで、誰もいない葡萄工房ワイングラス館という施設の駐車場で携帯電話をひらいて食べログで山梨市のほうとう店を検索。けれど、検索の結果に関わらず歩成という店の店構えに吸い寄せられる。これは正解だったみたいで、新鮮な馬刺しと熱々のほうとうに舌鼓を打つ。

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シャトー・ポワトヴァン 2005年

 半年か1年ほど前に信濃屋で買いこんできたワインのうち、メドックのシャトー・ポワトヴァン(Château Poitevin)2005年産を開ける。ただただお店の陳列が勧めるままに買ったもので、3,000円前後だったかと思う。口当たりがとても滑らかで、それはちょっと物足りなさを予感させもしたけれど、それでいてタンニンのコクをしっかり感じさせるから満足感があった。さらに熟成する潜在性があるというサイトもあるけれど、熟成が進むとどうなるのだろう。セラーが欲しくなってきてしまう。

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サン・コム「レ・ドゥ・ザルビオン」2006年

 マンガ「神の雫」が酒販業界に及ぼしている影響は大きいみたいで、信濃屋の「神の雫」コーナーは前より大きくなっていたような。僕も便乗して、同作で紹介されたコート・デュ・ローヌのサン・コム「レ・ドゥ・ザルビオン」(Saint Cosme "Les Deux Albion")を飲む。マンガでは2001年産だったけれど、信濃屋で売っていたのは2006年。香りの判断はまだまだ不慣れだけれど、ティスティング・シート自体には慣れてきたので、これを食卓の片隅に置いて簡単に記録する。こんな項目の揃った小さな手帳があれば欲しいのだけれど、なかなか見つからない。

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土産がすべてを名所にする

From Blog 2009

 茗荷谷という駅にさしたる思い入れもなかったのだけれど、一軒のパティスリーがそれを変えた。僕は2年前に仕事ではじめてこの駅に降りて、約束の時間までコーヒーを飲むことにした。播磨坂にあるその小ぢんまりした店はパティスリー・マリアージュといった。店内にはこの店のフォンダン・ショコラが「チューボーですよ!」に出ました、なんて控え目な告知がある。それなら、ということで手土産にフォンダン・ショコラを買って帰るとこれが好評で、フォンダン・ショコラはいわば茗荷谷の名物になった。こうなると、次に茗荷谷を訪ねるのが少しばかり楽しみになる。名所で土産が売られるのではなくて、土産を買うところが名所になるのではないか、という説。

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グラモンとミュネレ - ブルゴーニュ飲み比べ

From Blog 2009

 「耳鼻咽喉の美と言語」というテーマを思いついた僕は、それに土曜の夕方を捧げることにした。ドマーニでの会食も延期になり、妻も外出ということで、代沢の信濃屋へ。1時間弱の吟味の末に2本を選んで、ティスティング・シートを脇に置いてグラスと対峙。このテイスティング・シートなしに昨晩の濃密な体験はあり得なかったから。シートをアップロードして下さった、「極私的なワインテイスティングノート」さんにこの場を借りて感謝の気持ちをお伝えしたい。

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美にとって言語とは何か - 耳鼻咽喉の美と言語

From Blog 2009

 年末に仕入れた2本の残り1本、ムルソー(Meursault)を飲む。ネゴシアン、フランソワ・ダレン(François d'Allaine)による2006年。一番搾りのテート・ド・キュヴェ(Tête de Cuvée)。旨い。琥珀色のこのワインには角のとれた果実味があって、口腔でしばらく転がしていたい気分になる。意外なのは飲み込んだあとの多少ザラつくような後味。これを何と呼ぶのか。いくつかのウェブサイトがムルソーのワインを「ミネラル」と形容していて、僕は膝を打つ。そして、NHKで観た吉本隆明の講演を思い出した。

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演歌的旅情 - イヴローニュ(池尻大橋)

 レオナール・フジタ展を観たあと、池尻のブラッスリー・イヴローニュに行く。感化されやすい僕はフランス贔屓の気分になっていたし、かつ、生活を楽しむリラックスを心底求めていた。人のぬくもりや土のにおいを感じられるこの店は、徹夜明けの僕をベッドよりもなお柔らかく受け止めてくれるのではないか、そんな気がするのだ。この夜もまた、驚きというよりは安心感に満ちた、それでいて土着的な旅情が飽きさせない、そんな食卓を堪能した。

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まんまと「神の雫」にハマる

From Blog 2009

 年末、近所の信濃屋へ正月休み用のワインを買いに行く。棚にはいつも通りワイナリーの説明だとか「円高還元」なんて書かれたPOPが貼られているのだけれど、そのなかに「『神の雫』にも登場」みたいなことが書かれたワインがあった。僕はジュヴレ・シャンベルタンをようやく2本に絞って、ずいぶん悩んでいたから、最後のひと押しはこのPOPを信じることにする。それにしても、「神の雫」ってどんなマンガだろう? そう思って別の棚に目をやるとそこにはまさに「神の雫」が並んでいる。売り物かしらんと半信半疑で第1巻をなんとなく手に取ってレジに持って行ったら、これはちゃんとした売り物だった。年末のこういう軽率さが祟って、きょうは下北沢の古本屋で続きを15冊も買い占めることになる。ワインは好きだけどよく知らない、という僕のような人間にはちょうどいい娯楽的解説書だから、アカデミー・デュ・ヴァン(Academie du Vin)に通う前に読破しておこう。

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ブショネ

 

 ここ数カ月というもの忙しい日々が続いていて、家でゆっくり酒を飲むこともできずにいた。できずにいた、というか、知らず知らずのうちにその余裕を失っていた、という方が正確かも知れない。心を亡くすと書いて「忙しい」というのは、頓知が効いているけれど、実はなかなか怖い話だ。ともあれ、束の間の余裕を取り戻して開けたワインは、僕が初めて自覚するブショネだった。いや、そこまで確信はないのだけど、恐らくそうだったろうと思う。それは初恋の記憶のように、曖昧で、それでいて、深い苦味を味蕾に残した。

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三宿ナイト - ビストロ喜楽亭とWeb

 ふかわりょうが回すということで、三宿のWebに行くことに。クラブに電話したら、ふかわは23:00から回すということで、早めの展開。店に入る前に、前から評判を聞いて気になっていたビストロ喜楽亭で壺焼きカレーを食べることに。先週末に車で通ったら行列ができてて諦めた分、それでさらに気になっていた分、行列なしにすんなり入れたフライデー・ナイトは嬉しいような拍子抜けのような。下手したら10年ぶり近いWeb、ファンキーでいて大人っぽい印象は相変わらず。とはいえスーツでごめんなさい。

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ガッツだぜ - ステーキ・アンド・キドニー・パイ

 美術館で3時間も立ちっぱなしで絵画と対峙していると、さすがに腹が減る。そこで、前から気になっていた英国料理、ステーキ・アンド・キドニー・パイ(steak and kidney pie)を試すことに。JALが機内でくれるガイドブックによると、ザ・ウィンドミル(The Windmill)という店が良さそうだったので、リージェント通りまで足を延ばして遅めの昼食を、けれど時間を気にしつつ急いで食べる。この英国風モツ煮、必要にして十分の濃厚さで意外にもクドさがない。ちょっとガッツィーなビーフ・シチュー、といったところだ。

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食べ物ランキング - 初版

 僕を呆れさせた父の逸話のひとつに、「食べ物ランキング」がある。彼は僕の婚約者に「好きな食べ物はなんですか?」と訊く。話題としては、まぁ悪くない。とはいえ唐突なので彼女が言い淀んでいると、父は「僕はお餅が断然1位で、2位はそうだなぁ...」という具合の問わず語りで、僕たちは彼のランキングの選考過程をただただ拝聴することになった。とはいえ、ふたつの理由でこのランキングも悪くないと思い始めたので、父もすなる食べ物ランキングといふものを、僕もしてみむとてするなり。

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ライシアム・タヴァーン (ロンドン)

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 前回から気になっていたパブ、ライシアム・タヴァーン(Lyceum Tavern)についに入る。正確に言うと前回も今回も入店はしたものの、夜10時半過ぎに行ったら「食べ物はもう出さない」と寂しい返事。けれど、外の店はどこも同様で、かといって再び前回同様ホテルのパブというのは避けたかった。ビールだけが晩飯で上等じゃないか。

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テイスト・オブ・インディア (ロンドン)

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 テイスト・オブ・インディア(Taste of India)は、ロンドン通の上司が勧めるインド料理屋。昨年僕がみつけたザイカ(Zaika)は確かに洒落ていたけれど、このフレンドリーな店の方が気が楽だし、そして値段も実に手頃だった。前菜と主菜の2皿のコースで10ポンドちょっと、1パイントずつビールを飲んでチップも払って、ひとりあたり20ポンドというところだ。ビールが瓶なのが惜しいといえば惜しいけれど。

ジョイ・キン・ロウ (ロンドン)

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 「海外でいいと思う店があったら必ず店の名刺を複数枚もらっておくべし」、というのが上司の助言だ。それを実行しているつもりでも、記憶力の悪い僕は名刺の束を前にしばしば、「これはどんな店だったっけ?」となってしまう。そこで、誕生日プレゼントにもらったデジカメとブログを使って、公然たる備忘を記す。そのうちの一店が、ここ、ジョイ・キン・ロウ(Joy King Lau)だ。

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アズサ・オブ・ジャパン(ニュー・ヨーク)

 多くの日本人駐在員と出張者に愛されている、44丁目のこの居酒屋を、2005年6月ぶりに、そして2日連続で訪れる。「和食が恋しいでしょう」と出張者を慮る駐在員の誘いに、「ゆうべ来ました」とはなかなか言えない、ビジネスマン・オブ・ジャパン。ともあれ、店に飾られた松井のサイン入りユニフォームを見れば「僕も頑張ろう」と素朴に思ったりする、ビジネスマン・オブ・ジャパン。

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ケラーリズ・パレア(ニュー・ヨーク)

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 ニュー・ジャージーからマンハッタンに戻った僕らは、雰囲気の良さそうなギリシア料理店を20丁目で見つけて昼食にする。名前はケラーリズ・パレア(Kellari's Parea)と言って、店のウェブサイトによると、ギリシア語で「酒蔵の集い」という意味のようだ。プリフィクスのコースから選んだ、ホウレンソウとフェタ・チーズのパイ、そして、ムサカ。どちらもギリシア情緒があって旨かった。

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ブノワ (表参道)

 観劇の後、上野から表参道に移動してブノワで夕食をとる。田舎料理を売りにする一方でこの界隈のカフェのような都会的な店内は良くも悪くも青山的、それでいて値段は極めて良心的。なかなか使い勝手のいいミシュラン1つ星...のように思えたけれど、チーズに髪の毛が落ちていたのは断じて許せない! と言いながら、ほとぼりが冷めたらまた行ってしまいそうな自分が憎い。

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ル・カメレオン (パリ)

 夜はO氏の案内で、モンパルナス(Montparnasse)のビストロ、ル・カメレオン(Le Cameleon)で会食。席に着くとさっそく、白髪にピンクの眼鏡というチャーミングな出立ちでジャン-ポール・アラビアン(Jean-Paul Arabian)氏が挨拶に来てくれた。気さくな彼は、けれど、「私をパパだと思って、肉の焼き加減は任せて欲しい」という。怠惰な僕は、そもそも店がいいと思うように出してくれればそれでいいのだけれど、「私をパパだと思って」ってのが特に気に入る。父性の料理もいいじゃないか。

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ル・カスティリオン(パリ)

 M氏に連れられてサン・トノーレ通り(Rue Saint-Honore)にあるブラッスリー、ル・カスティリオン(Le Castiglione)で昼食。気取らない雰囲気と郷土的な料理にこの店の魅力があることは間違いないのだけれど、素早い給仕も忘れてはならない。僕はかつて、フランス料理はやたらと時間がかかるから仕事上の会食では避けるべきだ、と習った。けれどこの店ならその心配がなく、そのせいもあってか、店内はスーツ姿のビジネス・ランチ客ですぐに満席になった。

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ジ・アパートメント

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 大阪から帰って、一息つこうということで池ノ上のワイン・バー「ジ・アパートメント」に行ってみる。食べログでそこそこ評判が良かったのと、ドマーニ以外のイタリアンを近所で発掘しようという試みで、近所のY氏を呼んでドアを開ける。外観はメニューを書いた黒板がなければまったくただのアパートで、店名の通り。そして、このお店、料理にもワインにも接客にも、やはりアット・ホームな心遣いが感じられて、なかなか居心地がいいんだよね。

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モモガッパ

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 名古屋のH氏に連れて行ってもらった1軒目。三岳を含む焼酎が揃っていて、さつま揚げが出てきて、九州色を感じるなぁ。タイトル・トラックの「モモガッパ」はキュウリのサラダで、家庭的も家庭的。出張先の地にあって、まるで実家に帰ったかのような優しい野菜。ほかにはマグロ刺しやら自家製のつくねやら豚の炭焼きやらをいただく。なかなか予約の取れないお店だそうで、午後7時にはもう満席。

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ピエール・エルメ狂想曲

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 3月14日、青山の男たちは慌てていた。だから、昼休みのピエール・エルメは大行列。老いも若きもこっちのカウンターでマカロンを注文して、今度は支払いをするためにこっちのレジに並ぶ。「入口を空けてください」という店員の叫びも虚しく、店内を1周する大行列。僕を含む準備ちょい悪オヤジたちが並んで、管理職と思しきオヤジたちは何箱も買い込む。さらに秘書と思しき女性もいて、こちらは大人中の大人買いを見せる。要は店も僕らも段取りが悪いのだけど、それでも何だか怒る気にもならないのは、面倒くさがる振りして僕らもこの日を楽しんでいるからなんだろうね。

ラビラント 四の橋店

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 去年の7月以来、久しぶりに白金のラビラントに行く。ウェイターとウェイトレスが変わっていて、テーブルの配置もちょっと変わっているみたいだった。とはいえ、店内の落ち着いた、それでいて温かさのある雰囲気は健在。壁の絵画と草月風の豪華な生花の一方で、蝋が分厚くこびりついた燭台とか、とりとめもなく置かれた猫や亀の彫刻とか、この店のインテリアにはどことなく生活感が漂う。そのせいか、なんだか民家にお邪魔するような旅情があるんだよね。

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かおたんラーメンえんとつ屋 南青山店

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 ゴルフの帰り、古川橋まで同行者のひとりを送る。僕がふと「まるきんラーメンでも食べようか?」なんて言ったものの、あると思った場所に見当たらない。僕の思い違いか、はたまた移転か? 車内はすっかりラーメン気分になってしまい、「乃木坂の五行に行こう」という提案も出たのだけれど、五行の前は気が萎えるような行列。そこで、僕たちは青山墓地の入口の、かおたんラーメンの戸を叩く。

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コリアンキッチン 味ちゃん

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 新大久保の韓国料理、というだけで心が躍る。都内にいながらにして「本場」って感じがプンプンするからだ。そんな新大久保にあって、ここを「大人気のサムギョプサル専門店」と紹介する「拓虎の"虎・食・音"日記」を読んで行きたくなり、有名ブロガーに直々にお勧めや食べ方を教わりながら味わう、という贅沢な企画が実現。果たして、脂を絞り出しながら焼けていく厚み18mmのサムギョプサルは、想像以上の濃厚さで僕たちのマッコルリの壺を空にしていった。

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中国料理 秀山 新宿住友ビル店

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 会食の場所をどこにしようかと悩んだ末に、たまには夜景を見ながら食事をするのもいいかな?と思って、住友ビルの中国料理店を予約。外は小雨がやんだばかりで景色が悪いかと思ったけれど、50階からの夜景は健在。同席者が来るまで、窓に乗りだして「あれが十二社通りだから...」などと目印をみつけては、「知っているところ発見ゲーム」にひとりで興じる。

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ブリ大根とヴァイオリン - 生涯初等教育

 渋谷でブリのカマと大根と生姜をいそいそと買い込んで家に帰る。ブリ大根を作るのだ。京料理を食べて日本食に目覚めたところで、たまたま見た旅番組が北陸の郷土料理としてブリ大根を紹介していたからだ。いろいろ自分でやってみないことには、分からないことも多い。そんなわけで、食後はヴァイオリンの練習。家庭科のあとは音楽。死ぬまで小学生宣言。

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ブラッスリー イヴローニュ

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 上野で「ワルキューレ」を観た帰り、池尻のブラッスリー「イヴローニュ」で夕食にする。居酒屋「飲んだくれ」という愛嬌ある名の通りカジュアルな雰囲気だけれど、ひと品ひと品に思い入れが感じられて美味しい。それで値段も極めて良心的で、僕は翌週もゴルフ帰りに寄ってしまう。三宿界隈の楽しみがひとつ増えたわけだ。

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京やさい 美登里

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 外食といったら、祭りだった。マタドールとなって肉塊と格闘し、ロンドを舞うように円卓を回す。ところが、かつて予想だにしなかったことに胃腸が弱ってきた。脂っこいものは避けたい。けれど、大人の会食としての格好もつけたい。心躍るハレではなく、心和むケの料理として京料理屋の暖簾をくぐる。

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割烹 味とめ

 三軒茶屋のツタヤにCDを返しに行ったところで、I氏に教わった味とめを思い出して戸をくぐる。島ラッキョウでさっぱりと、白子ポン酢でやわらかく、ウツボのタタキで重厚にスタート。ウツボのタタキ、はじめて食べたけれど獣肉のような歯ごたえがあって、ウツボの人相通りの味。これには日本酒!と思って、ビールのあとは八海山。焼酎は黒伊佐錦を頼んだら、期間限定商品の「無濾過」があるとか。この仕入力は客を飽きさせない。常連が多いのも納得。

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支那麺 はしご 赤坂店

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 僕はラーメン・チキンだ。チキン・ラーメンではない。ラーメンについてひどく臆病なのだ。世にラーメン勇者は多くて、好みの差はあれど「ラーメンなら何でもござれ」という猛者たちがいる。僕はカレーについてはカレー勇者として「何でもござれ」なんだけど、ラーメンは全体として苦手で、一部好きな店があるという始末。だから、好きな店が見つかると入れ込んでしまう。この「はしご」も、そんなわけで1週間に2度も行ってしまった。

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炙屋 すすきの本店

  シシャモは、メスがいいか? オスがいいか? 僕にはそんな問いの自体が新鮮で、シシャモといえば子持ちのメスばかりだと思っていた。そこで雌雄一皿ずつ頼んで食べ比べ。オスの身のほうが弾力があって、それも魅力だったけれど、やっぱり僕は卵とともにほぐれるメスの身のほうが好きかも知れない。ともあれ、ここのところ札幌は僕にとって食育の場になっていて、ここ炙屋もまた、魅力的な教材に満ちていた。

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マンステール・チーズとデルバ・ブレッド

アメックス定食終了

リストランテ・クアトロ・モリ(イタリア、ミラノ)

20071015203733.jpg ミラノのスフォルツェスコ城の近くにある、リストランテ・クアトロ・モリ(Ristorante Quattro Mori)という店で昼食をとる。

 いい店だとは聞いて連れてこられたけれども、ビジネス・スーツの客が圧倒的で、観光客だらけの市街から来た僕は驚いてしまった。中庭に出て、ちょっと涼しい秋風を感じながら食事にする。

 とにかく、カニのリゾットの印象が強烈。ミラノのリゾットは旨いとどこかで読んだことがあるけれど、スープがじっくり染み込んでいて、それでいて米には適度な固さが残っていて、このリゾットは間違いなく、僕がいままで食べたものの中で最高に旨かった。ちなみに、メニューには載っていなくて、同席者が別に頼んでくれた。

 蟹の甲羅に盛られたりなんかすると、わーすごすごい、と素直に喜ぶ反面、こんなのに騙されないぞ、と却ってつい身構えてしまう。ところが。僕のチンケな心の甲羅はあっさりと割られて、蟹の肉汁が流れ込んでくる。蟹の肉汁、って一見すると妙な表現だけど、スープと蟹の香りが渾然一体なんだから仕方ない。
20071015203745.jpg もちろん、ボンゴレ・ビアンコも旨かった。シンプルな塩味と、アサリを筆頭とした魚介類のコクだけで食べさせるんだから、そのストイックさといったら。でも、カニの芳醇なリゾットがあまりに印象的で、ボンゴレは何とか思い出せるんだけど、前菜に至っては何を食べたのかも思い出せない。

 ミラノ自体、とてもいい街だったからまた行きたいけれど、その理由のひとつに、このリゾットは入っちゃうなぁ。ミラノに行ったついでに寄るなんて程度じゃない、蟹の肉汁。


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パティスリー・マリアージュ(小石川)

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 用事で茗荷谷に来たはいいが、約束の時刻までまだ時間がある。にやり。その「にやり」はすぐ近所にパティスリー・マリアージュ(Patisserie Mariage)というケーキ屋があるからだ。本が読めるだけでも嬉しいのに、うまいケーキがついてくるんだから。

 茗荷谷訪問2回目にして、マリアージュも2回目。きょうはノワゼットというヘーゼルナッツのケーキを頼む。ほほう、ヘーゼルナッツのことを「ノワゼット」っていうのか、なんてフランス語の勉強してるふりしつつ、心ここに非ず。ナッツのペーストとチョコレートで、甘いこと甘いこと。理屈抜きで幸福。願わくば、コーヒーがもっと深煎りだといいんだけど。


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 用事の後は婚約者の家で先走りボジョレー祭り(単に一ヶ月間違えただけ)だったので、この店の名物、フォンダンショコラを買って行く。ハロウィンにあわせて、おばけ型のカップに入っていたりして、かつ、当然に中身はめちゃくちゃ上出来だったりするから、こういう手土産は重宝する。いちばん重宝なのは、手土産にかこつけて、自分もしっかり同日2回目のガトーを食べられるからなんだけど。


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ル・ランデブー(フランス、カンヌ)

 とにかく昼の腹ごしらえ、ということで、手近な店に入る。カンヌの波止場の前に並んだシーフード・レストランの中から、ある程度ひとが入っていて、それでいて混みすぎていない、といういつもの基準で適当に選んだのがここ、ル・ランデブー(Le Rendez-Vous)九十九里の焼き蛤と一緒で、立地だけで人が来るお店は、どこも大差ないだろう、というのが勝手な持論。

 旨かったのは、ムール貝。同行者が無類のムール貝好きということで、いろいろ教わりながら食べる。毒があるなんて知らなかったよ。そこで、ムール貝を茹でる時には毒を探知するために銀の棒を入れるのだとか。そして、貝が閉じたままのものは毒があるかも知れないから、食べない方がいいとか。そんな大事な話を、いまさら知る僕。

 アサリのバター蒸しが大好きな僕だから、それのムール貝版といった趣の「ムール・マニエール」は進む進む。僕らが白のハウス・ワインを頼むと、何も聞かれぬままボトルで供されたのだけど、それも気づいたら空。昼からボトル空。パエリアなんかで見るムール貝よりずっと小粒なんだけど実が詰まっていて、さながら海の枝豆。

 ただし、その後に頼んだシーフードのスパゲティは茹で過ぎでかなりイケてなくて、せっかくのソースが台無し。パスタはイタリアに任せて、ムール貝とワインでも飲んでいればオーケーということで。ちなみに、ワインはハウス・ワインでも申し分のなし。


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ムーラン・ドゥ・ムージャン(フランス、ムージャン)

 もしかしてポケットのメモを読まれた?...かと焦った。なにか重要な会食を用意しなきゃいけなくなった時のために、出発前に調べてきたレストランに、まさか自分が案内されるなんて思ってなかったから。

 カンヌからちょっと離れたムージャン村にある、アラン・ロルカ ムーラン・ドゥ・ムージャン(Alain Llorca Moulin de Mougin)は、一言で言えば「間違いないお店」ということでメモしてきたのだった。もちろん、行ったことなんかない。

 そんなわけで、カンヌのホテルを出たタクシーが山に向かう高速道路に乗った時は「まさかね?」って気分だったし、30分くらい走って古城のような建物の前に着いた時は「キター!」っていう感じだった。「ムージャンの風車」という店の名前の通り、この建物は16世紀に建った古い風車小屋なのだそうだ。16世紀って!

 三つ折りになったメニューは、左から「古典」・「現代」・「軽め」という構成になっていて、それぞれに前菜・主菜・デザートの分類があり、さらに各項目に3品ほどが書いてあった。英語のメニューもあったのだけど、同席者がフランス語を訳してくれたのでそれに従う。

 突き出しに出てきたのは、モッツァレラ・チーズとトマトとオリーブの串刺し、そして、オリーブが載った一口大のタルト。21時間の長旅だったけど、行き着いたのが他ならぬ地中海で良かった、なんてしみじみ感じさせてくれる幕開け。

 まず選んだのは「軽め」の前菜から「スライスした鮭のマリネ、生アーティチョークとトリュフのサラダ」。スライスと書いてあった鮭は、実はスーパーに売っている焼魚用の切身くらい大きな固まりで一同苦笑。こんなに大きいのに筋に沿って柔らかく解れて、ハーブが効いていて飽きもこない。

 次が「現代」の主菜から「ハトの照り焼きバルサミコ酢、フォア・グラのスライス」。鳩は初めてで、あらためて、フランス人の小動物に対する食欲に感服。ウズラとかウサギとか果てはエスカルゴとか、よく捕まえるなぁ。僕は最後の最後に腿の骨を見て、上野公園を思い出してしまったのが悔やまれる。勢いで完食のこと。

 ワインは同席者がボルドーのサンテミリオンを選んでくれた。上野公園に負けない力強さもありつつ、不忍池のような滑らかさで、って自分でも意味分からないけど、ともかく、ハトの野趣に負けずかつそれを包み込む柔らかさが印象的。フランスの田舎で、娘たちがブドウを踏むのを眺めながら老後を過ごそう、とピーター・メイル的妄想。

 デザートの前に、チーズ。ちょうど僕が、以前パリ空港で買ったマンステールのせいで帰りの機内が明らかに臭くて気まずかった話をしたところだったので、「あなたはヤギも好きでしょう」と言われ、確かにその通りなのでシェーブルをもらう。あとはミモレットと、そんなに臭くないウォッシュ・タイプのなにか。ミモレットの切り方はちょっと厚すぎて、しばし会話に参加できないほど。アゴの筋トレかと。

 最後に「古典」のデザートから「野イチゴとレモン・クリームのタルト、プロバンス蜂蜜風味のバニラ・アイス・クリーム」。野イチゴというのは痛みやすいのでパリではなかなか手に入らない、と同席者が言っていたのでありがたく食べる。でも、いちばん驚いたのは蜂蜜。ありえない芳醇さだったので、皿まで舐める勢い。

 そして、エスプレッソとともに駄目押しの焼き菓子。テーブルのみんなは完全に満腹という風だったので、アーモンドのヌガーやらココナッツ・クッキーやらチョコレートやらを1人で食べてしまう。マカロンを食べたらもう1歩も動けなくなることが明らかだったので、そこは大人になって諦める。大塚の大勝軒に続き、また食い倒れ。

 ちなみに、1歩も動けなくなった人のために(?)ホテルも併設されているようなので、休暇に来ることができたら本当にいいなぁとまた夢想。

 あとで調べたらこの店、1977年にはあのアラン・デュカス氏が助手として働き、のちに彼の特徴となるプロバンス料理を学んだのだそうだ。



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大盛りを残すな



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 月曜日の午後、親戚が主演のお芝居を観に行った大塚で、腹を空かせた僕らは食堂を探していた。大塚に来たのは人生2度目で、1回目はパーティの場所が指定されていたから、食事抜き自由行動で観光するのは初だ。丹念に探す。チェーン店(※)ではなく、過度に商業的すぎず、かといってあまりにも閑散としていない店を探す。

 駅からちょっと離れた劇場から駅まで歩いて、風俗店の看板をかわしながら食堂を探したけれど、結局、劇場の近くのもりそば屋に入る。大勝軒というその店は、女性客も多くて、決して便利な場所って訳じゃないのに賑わっていたんだよね。そうそう、こういう地元の名店的なところに行きたかったんだよね。

 さて、腹を空かせた僕は軽い気持ちで大盛りを頼むんだけど、出てきたのは丼から溢れんばかりの麺、麺、麺。普通盛りを頼んだ彼女の前にも、サザエさんご飯的に麺が盛られる。鰹ダシのスープはコクがあって、それでいてサッパリしてて、人気の秘密も納得。ちょっと小腹が空いたときには是非寄りたい。

 ちょっと大腹が空いたときにも、しかし、普通盛りにすべきだった。はじめから厳しそうだったのでスープのチャーシューはもちろんナルトさえも食べず、脇目も振らずに麺に取り組んだれど完食ならず。残りの麺をスープに沈めたり姑息なことをしてもあとの祭り。

 勘定の時、うつろな目をふとレジ横にやると、「大盛りは麺535g、普通盛りは麺345g」ってことが書いてある。パスタ1人分は100gってどこかで聞いたような気がするけど、全血液は胃腸に回ってしまって思考能力ゼロ。その後、あまりの満腹感、というか疲労感で夜中まで爆睡。

 JALの機内誌に、浅田次郎が、強くやってくれと頼んだ手前、マッサージが痛くても痛いと言えない、なんてことを書いていた。僕もその男気で完食してやろうと思ったのに、敢えなく敗退。大盛りを頼んで残す、という久しぶりの屈辱が胃をキリキリと締めつける。

 ※ブログを書くために大勝軒を検索したら、チェーン店だということが判明。


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 けやき(札幌)



 食事のあと、札幌で最もお勧めのラーメン(のひとつ)ということで、「けやき」というお店に案内される。味噌ラーメンで、具は野菜、という何だかヘルシーな感じ。


 お店は月曜だと言うのに行列が出来ていたけど、案外早く流れて、待つこと15分くらい。ちなみに、その15分ですすきのの風俗事情をみっちりレクチャーされたりもしたんだけど、実はぜんぜん興味ないんだよなぁ、ごめんなさい。いい子ぶってるんじゃなくて、イントロとか余韻みたいな女々しい部分が好きなだけで、そのへんは単に好みの問題というか、っていうかっていうか、むしろ目の前のラーメンに集中しようぜっていうか。花より団子。


 ラーメンは、ごくスタンダードな味噌のスープで、腹一杯夕食を堪能した直後にちょっとキツいかなぁ、なんて思ってたけど杞憂杞憂杞憂。どうだ秘伝の濃厚味噌だぞすごいだろう的なのとは正反対で、むしろあっさりしすぎててサッポロ一番か?ってくらいで、そんなわけだから親しみやすくてどんどん飲めちゃうんだよねぇ。ちょっと言い過ぎかも知れないけどスープヌードル的。油はとろりとしてるのに。麺は細目の縮れ麺。それにたっぷりの野菜、ってわけだからヘルシーで、女の子のお客さんも多かったなぁ。


 味噌ラーメン1杯800円。本当は追加でニンニクを入れてもらいたかったんだけど、翌朝7:50のフライトだから断念。大人になったなぁ。



けやき


011-552-4601



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 わかな(札幌)



 きのうは出張先の札幌で食事をする。このプロジェクトを引き継いでからは、過去の「べからず集」的な教訓をたくさん学んでいるんだけど、良薬はどれだけ口に苦くても、北海道の幸はただただうまい。


 今回のお店は、「北海道の家庭料理を食べて欲しい」というありがたいお申し出で、おばんざいのお店に行くことに。カウンター6席に小上がり一室、というこぢんまりとした風情で、カウンターには大皿のおばんざいが並んでいる。


 ひとつひとつ選ぶのかと思ったら、女将が小皿に盛り合わせてくれて、それをカウンターの2・3人でつまむ、という塩梅。アワビやツブ貝を醤油で煮染めたものとか、身欠きニシンと昆布とか、やっぱり海の幸はすごい。でも、すごいすごいじゃ「行きつけ」にはならない。夏野菜の炊き合わせとか、南瓜の煮物とか、おからの和え物とか、そういう地味系が引き締まってて、社長の行きつけ(たぶん)ってのも納得。


 途中でおかみが焼いてくれた秋刀魚も薩摩揚げも、別段凝ったようにはとても見えないのに、とびきり旨いから北海道はずるい。ちなみに、鮮度のいい旬の秋刀魚は「一本立ち」と言って、尾の付け根を握ると頭までがピンと垂直に立つそうだ。どんな棍棒だ、と。ずるいずるい。僕の隣に座ったMさんは、「僕はいつでも食べられるのでさあさあ食べてください」なんて感じで、東京のクオリティ・オブ・ライフについて考えさせられちゃうんだけど、でも、秋刀魚の腸が香ばしかった途端になんも考えられなくなる。やっぱずるい。


 さて、この店で僕は人生はじめての食材をふたつ、食べる。ひとつは食用ホウズキ。カウンターにならんだ、いかにも新鮮そうな野菜の、ニンニクのカゴにホウズキが載っていたので、「これも食べられるんですか?」と尋ねたら答えは「イエス」で、その質問は明らかに要求を兼ねているもんだから女将はそれを食べさせてくれて、なんだかトマトみたいな味だった。ちなみに、これは「食用」だから成せる技で、他のは食べられないそうだ。まぁ、別に毒があるワケじゃないだろうけど。で、そうか、「食用」ってのは「旨い」って意味の主観なのか、と気づく。


 次の初体験は、白わさび。と、名前を知っていたらそうはしなかったんだけど、薩摩揚げと一緒になんか差し出されたので、僕はその繊維質な、乾いた大根おろしみたなのを、ほいと食べてしまった。か、辛いじゃないか! でも、緑わさび(と仮に呼ぼう)とはちょっと違う辛さで、ツーンとした感じはあんまりなくて、どちらかと言うと青首大根系?の清涼系。上司と一緒に「へーへーへー」と連発していたら、太めの牛蒡みたいなそれを適当に切って、お土産にしてくれた。ちなみに、けっこう固いらしくて鮫皮では「いつまでやっても」おろせない、ということなので、おろし金を使うべし、とのこと。


 そうそう、もうひとつ発見があった。「佐藤」という芋焼酎(黒麹だった)がすごく美味しくて、聞けば鹿児島産のもので、いまは入手困難でプレミアムがついているとか。で、いまちょっとググってみたら楽天で1升1万3千円とかで売ってた。結構高いんだなぁ。というか、このお店もメニューないし、クレジットカードお断りで現金か会社請求のみって別のお客さんに言ってたし、たしかに家庭料理ではあるものの、お値段万円的には未知数。ちょっと多めに覚悟してひとり7,000円(酒別)くらい? うーん、小料理屋系はお子様には想像つかない世界だなぁ。


 …ということで、いま、「予約を考えてるんですけど幾らくらいでしょう?」とお店に電話しちゃいました。接待受けた翌日に何してるんだ、っていう気持ちもありつつ、だってだってまた行きたいもんでも怖いもん、という気持ちに軍配。「どのくらい召し上がるかによるんですが…」「普通です」、「何をお飲みになるかにもよるんですが…」「普通です」というぶっきらぼうな会話の末、「まぁお飲物込みでだいたいお一人様4,000~5,000円くらいでしょうか」というお答え。ありがとうございます。



わかな


011-563-6950



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じゃじゃおいけん



 日比谷公園でテニスをした帰り、千代田線で、テニス仲間に「三軒茶屋のじゃじゃおいけんが美味しい」という話を聞く。「じゃじゃおいけん」って頭の中で漢字変換もできなかったどころか、意味もよく分からなかったけど、どうやらこういうことらしい。盛岡には「じゃじゃ麺」という食べ物があって、それは中華のジャージャー麺とはちょっと違うらしいけど、とにかく肉味噌の麺なのだそうだ。で、オーナーの名前が及川憲司だから、おいけん。おいけん氏のじゃじゃ麺屋さんだから、じゃじゃおいけん。なるほど。


 家から20分くらい歩いて、茶沢通りを通るその道はちょうどいい散歩コースでもあったんだけど、お店に到着。カウンターに7席あるだけの小さなお店で、大橋マキ、氷川きよし、DA PUMPのメンバーのサインなんかが飾ってあったりする。中盛りとか大盛りとか麺の量を頼んで、ビールを飲んでしばらく待つと――生麺だから時間がかかるんだって――、ちょっと平たいきしめんみたいな麺と、肉味噌と生姜、それに胡瓜の千切りなんかが入ったお椀が出てくる。これにお好みで大蒜・辣油・酢なんかを入れる。お好みで、って言われても初めてだから好みもなにも分からないんだけど、根拠のない「適量」で入れてみる、あいまいな日本の私。そして、混ぜて、混ぜて、よく混ぜる。


 ぐちゃりぐちゃりとかき混ぜ、我が輩の鼻孔を刺激する薬味の香りにたまらなくなり、箸でつるりんことすくって、ぺろり。そのままごくりんこと胃の腑に収める。東京農大の小泉博士風に言うと、こんな感じだ。ちなみに彼が日経の夕刊に連載する「食あれば楽あり」は官能小説ばり擬音で朝から笑わせてくれるんだよね(僕は夕刊も朝に読む)。さっぱりしててまだまだ食べれる感じで、昼のお好み焼きがまだまだ我が輩の胃の腑にどかりと座り込んでいるのに、中盛りじゃなくて大盛りがよかったかなぁ、などと思うくらい。


 仕上げは「チータンタン」というスープで、「麺をほとんど食べたところ」で注文するといいらしい。このあいまいな指示がまた、いい。「少し残す」よりも「ほとんど食べる」ほうが絶対に難しい。生卵を割っておいけん氏に丼をわたすと、煮汁を注いでスープにしてくれるんだ。丼をまた亭主に戻して”アンコール”する感じが、締めっぽくて、いい。あたかも茶の湯。散歩のついでというか、じゃじゃおいけんに行くことを目的に散歩してもいいくらいの、散歩コースとして認定。それってつまり、ミシュランの基準だと三ツ星だ。そうなんだ、じゃじゃおいけんは三ツ星なんだ。



じゃじゃおいけん


http://www.jyajyaoiken.com/




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シェ松尾・三宿パティスリー



 三宿にはラ・テールというケーキ屋さんがあって、そのせいもあって、僕の中ではシェ松尾は、こっちのほうが家から近いのに、なんか二番手だった。去年のクリスマスも、「ラ・テールがすんごい混んでいるから」という理由で、シェ松尾でケーキを買ったりして、そのことでまた、シェ松尾はさらに二番手っぽい感じを強めていったのであった。って、書いてみるとほんと理不尽だな。ごめんなさいごめんなさい。


 ちなみに、僕はシェ松尾のことを「シェ」と略しがちなんだけど、それは「不二家」を「家」と略すようなもんだ。分かってるけど分かってるけど、はじめて「シェ」を意識したのは松尾だったから、やっぱり松尾がシェだ。スーパーマンもスーパーサイヤ人もいるのに、スーパーマーケットだけが「スーパー」と略される栄誉に与っているのは、スーパーマーケットがいちばんはじめの出会いで、いちばん近所にいるからだ。だから、やっぱり松尾がシェだ。


 テニスの帰り、じゃじゃおいけんが池尻あたりと勘違いしてちょっと探してしまったせいで、いつもと違う帰り道で、たまたまシェの前を通って帰る。そのとき僕ははらぺこあおむしだったので、彼女に「うちに帰ったらすぐなんか食べたい」(のでなにかつくってて欲しい)という亭主関白なメールを打ってしまっていて、そのことを軽くフォローしときたい的な気持ちもあって、シェでケーキを買う。


 ラ・テールは下手したら本日のケーキいっこ250円くらいからあるのに、シェは450円くらいからだ。シェは商売上手だから、シェだからみんながちょっと高くても買ってしまうのを知ってる。いちごのショートケーキとベリーのタルトを買う。シェは、ショートケーキなのにショートケーキとは呼んでなかった気がする。たしか「フレーズ」って言ってたかな。ほら、フランス語だぜ、シェだから。ラ・テールもフランス語だけど。


 で、そんな多少てやんでいな印象含みでおやつに至ったわけなんだけど、やっぱシェは実力もすごい、という結論に。ショートケーキは美味しかったけど、うまく形容できない。うまい白飯は「うまい」としか言いようがないように、うまいショートケーキはただうまい。以上。ちょっと補足すると、いちごのクリームがスポンジのなかに入っていたりして、その演出がちょっと憎かったりする。のちのタルトで、この小憎らしさが可愛さ100倍になることを、当時の僕には知る由もなかったわけで…


 そしてタルト。ラズベリー、ブラックベリー、赤カシスなんかが乗ってて、初見ではまだてやんでいだったから、「てやんでいゴテゴテ載せやがってちくしょーめ」とまったく思わなかったかというと嘘になる。ところが、である。スポンジがすごかった。スポンジなんて、一見地味だし、どれも一緒だと思っていました。ところが、である。シェのタルトはリキュールとか蜂蜜とかがじんわり染み込んでて、愛される準備万端。載っかってるベリーなんて、所詮かわいい下着くらいのもんです、と言わんばかり。おっと失礼。


 ラ・テールの良さはそのシンプルさ、あるいは、そのおやつ的なところだったりするんだけど、シェはむしろ濃厚さ芳醇さみたいな持ち味があるんだねぇ。デザート的であるのみならず、ポートワインとか食後酒を待つような誘うような、そんな魅力があるんだよなぁ。三宿デザート部門を二部門に分割し、昼の部をラ・テール、夜の部をシェ、とする動議が承認可決されました。



シェ松尾・三宿パティスリー


http://www.chez-matsuo.co.jp/salon/index.htm



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ラ・テール洋菓子店


http://www.laterre.com/patisserie/access/



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普段使いのスパークリング・ワインさがし



 僕は根っからのビール党で、ケース買いした「生搾り」ないし「一番搾り」あるいは「プライム・タイム」を片手に「デスパレートな妻たち」を観るのが平日最大の娯楽だったりする。ところが、こないだ梅雨を甘く見て、ミモレットかうさぎのパテにあたって自宅でひっそり食中毒してから、濃厚な匂いの食べ物がちょっと苦手になってしまった。もちろん一時的なものだと思うんだけど、このところ自民党よろしくビール党は惨敗で、どうやって泡を吸収するかが目下の政局。


 で、こないだ中国からの帰りの飛行機でミニボトルのシャンパンを飲んで、思いついたわけだ。安いスパークリング・ワインでいいじゃないか! さて、そんなわけで、肉のハナマサ三軒茶屋店で買ってきました。条件は1,000円以内。こんど飲み比べをするけれども、まずは備忘として仕入計上。税込838円が2本と、税込935円が1本。何しろ普段使いだから価格には敏感なので、97円の差はきっちり説明がつかなければ即アウト。さてさて、どうなることやら。



Brentwood Vintage Cuvee

オーストラリア

838円




Imperial Palace Blanc de Blancs Brut

フランス

838円



Palau Gazo Semi-Seco

スペイン

935円



食育の時間



 「食育」って言葉をよく耳にする。僕はオフィスのパソコンに「早起き・きっちり・先回り」なんて標語をテプラで貼り付けてみたりしてるけど、要はそれと同じで、「できていないこと」が盛んに喧伝されるのが世の常だ。どうも最近の子どもたちを見ていると食事に関する基礎がなっちゃーない、ってことになって騒ぐ。だからよく耳にするんだろう。


 ちなみに、食育基本法のパンフレットで、内閣府は「食育」をこう説明している。



そもそも「食育」って何なの?


食育基本法の中では、「食育」を次のように位置づけています。


1 生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの


2 様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、


健全な食生活を実践することができる人間を 育てること



 僕も昨今の状況に眉を顰める一人だ、なんてカッコよく言いたいところだけど、むしろ人の振り見て我が振り直せって感じだ。数日前なんか、タクシーのなかで食べたSOYJOYふたつがブランチで、夕方そのままテニスをしていたら餓死しそうになったのでクラブの自販機でアーモンド一袋買ってスポーツドリンクで流し込んだのが夕食で、さすがに辛くなってココイチでカレーを馬鹿食いして夜食、という惨憺たる食生活だった。


 でも、僕の反省点は、しかし、実はそんなところにはない。最近気になるのは、「うまいものを食ったのにそれが何だか覚えていない」病が相当進行していることだ。「またアレ食べたいなぁ」と思っても、それが何て名前なのか、ドコで食べれるのか、そもそも和洋中のどれなのか、肉か魚か木か鉄か、って記憶が曖昧で思い出せない。「おいアレをくれ」とか言いたいんだけど、その本人がなんのことを言おうとしているのか分からないのだから切ない。辛うじて店を覚えていても、ある人が連れて行ってくれた店に、その店を紹介してくれたまさにその本人に「うまい店があるんですよー」と案内しそうになったりする。


 よかったなと思うレストランでは、敬意の表現もかねて大抵カードをもらうようにしているんだけど、さて、数ヶ月経ってカードを眺め回しても、何にも脳裏をよぎらない。そんなこともあって、僕の行くレストランは1ジャンルにつき1~2店舗、という狭い狭い世界になっている。さてそこで、僕は僕自身の食育として、おもに「食を選択する力を習得」するためにレストランの備忘録をブログに書いていこうと思う。ただし、この際、「健全な食生活」ってのは忘れる。


ラビラント (白金)



 そもそも、レストランの備忘録を書こうと思い立ったのは、いましがたこの店に電話をしたのがきっかけだ。


 2週間くらいまえ、ここで飲んだブルゴーニュの白ワインが旨かったので、名前を聞こう聞こうと思っていたものの、フィアンセともども食後酒で完全に出来あがってしまったので聞けずじまい。とはいえ、知りたい。そこで今日、ダメもとで電話をして自分の名前と日にちを伝えたら、30分ほどして折り返しがあり、そのワインの名前を教えてくれた。わざわざ聞いたワインの名前も、紙の切れ端(とある会葬礼状の封筒に書いてしまいました本当にすみません)に書き殴っただけだと絶対に数日で紛失してしまう。じゃあ、ネットに書き捨てておくか(笑)、という具合だ。ささやかな推薦の気持ちもなくもない。


 まず、そのワイン、産地はブルゴーニュのPernand-Vergelessesで、製造者は Pierre Marey et Files、2003年物だったらしい。らしい、というのは店のお勧めだったから。僕は大抵の白ワインが苦手だけれども白ワインが飲みたかったので、「甘くなくて飲み心地に重みがあってそれでも後味がベタつかないやつ」というようなお願いをしたらこれを勧めてくれた。僕の白ワイン飲まず嫌い、というか大昔にドイツの甘いワインを飲み過ぎて嫌いになった、を考え直させてくれた食育的貢献度から表彰。白ワインが苦手な人に強くお勧めしたい白。


 一緒に食べたのはカニミソのフランと、アンコウのフリットだったんだけど、こういうクセのある人たちに負けず、かつ調和してしまう人間性に脱帽したいワインでした。さて、このアンコウを食べていたら、いきなりゴムみたいな食感の臓物があって、それはアンコウ人生の結晶と言わんばかりのコクで旨かった。思わずその旨をウェイトレスに話したら、「食べられるところは捨てずにすべて使うのがシェフの方針なんです」とのお返事。


 こういう話を聞くと本当に嬉しい、というか、もう自分でアンコウを釣りたい。あるいは、もはや年老いてアンコウのようになりたい。アンコウくらいになったら、川の小魚みたいに「釣られまい釣られまい」と小賢しく逃げ回らないで、むしろ期が熟したと悟って自ら釣針をくわえるくらいしたんじゃないだろうか。威風堂々と、自信満々として、彼は敢えて釣られたんじゃないだろうか。漁船の甲板に横たわって、漁師に優しく微笑みすらしたんじゃないだろうか。だって、こんなに旨いんだもん。


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